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ハロ-!エブリマメ 枝豆王子が行く

枝豆はおいしい!そして楽しい えだまめを家族団らんの象徴に

      
プロフィール

◆児島啓介[枝豆王子]◆

Author:◆児島啓介[枝豆王子]◆
作詞、作曲、歌、ギター、ほら貝

日本で唯一の枝豆研究家

歌う食育インストラクター

●食育の出前授業
『枝豆王子のいただきますワンダーランド劇場』
を主に小学校で行う(2007~2015現在)

●その他、お仕事承ります!!
食育イベントの盛り上げ係、
講演依頼、音楽ライブ、
枝豆の種まき、
レシピ実演など


O型 東京都出身 在住
青春出版社より『いつだって枝豆!(書籍)』を発売中


連絡先はメールフォームからお願いします
→ プロフィールの上にあります

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2012.01
24
11月のミッション:枝豆を目指して東から西へ舵を切れ

IMG_8349 (2)京都・和知黒
コピー (1) ~ P1050682兵庫・川北黒
コピー (1) ~ IMG_8492奈良・宇陀の黒豆


●旅を終えて

2011年は枝豆(時期的に大豆)を思いっきり体感してきた。
豆を”体感”しすぎてしばらく身体がぶるぶる震えそう。

でも豆は、おいらをからかうようにどんどん神秘を深めていきます。
おい待てー!


そして旅でご縁をいただいた皆さま、本当にいろいろなことを教えてくれてありがとうございました。
この出会いを大切にします。

では第1日目スタート!


●徳島県で出会った個性派農家さん・1

初めて淡路海峡を渡った。
初日は嬉しいことに雪印種苗・枝豆担当の橋谷さんが徳島を案内してくれる。
といっても観光じゃなくて…もっとステキなツアー。
農家さんめぐりツアー(笑

コピー (1) ~ P1050411

『恋姫』という品種の枝豆をいただいた。
うん、甘い。
でもいま11月ですよね?

「そうやってビックリしてもらうのが私の喜び。」と農家の鎌田さん。
じつは夏に収穫したものを冷凍しておいたのだという。
いつもなら冷凍だったらわかるのに、おいしくてだまされた。

正直に言います。四国で甘〜い枝豆は作れないと思ってた。
暑くて寒暖の差がない西日本の平地では不利だと。
徳島は台風の被害も受けやすい。
しかし鎌田さんは甘い茶豆に驚くぼくらを見てニヤリとしている。
ななななんで?

「トンネル栽培です(ビニールハウスのスリム版)。
 なるべく雨や風が当たらんように大事に育てる。
 タネまきの時期は寒さから守ります。土の温度を保たなきゃいけない。」
あれ?寒いんですか?
「一番暑い時期を避けるため。2月からタネまき始めますから。」
それなら枝豆の場合は台風の時期も避けられる!
「はい、それがうち独自のやり方です。」

最初のころハウスで枝豆を作り始めたら周りから笑われたという。
頭おかしくなったのかと。
わざわざハウスで栽培するのはイチゴとか高級なものが多いから(資材のお金もかかるし)。
その後、ハウスをトンネル栽培に切り替えて挑戦を続けた。
やがて他にはない品質の良い枝豆を高値で売れるようになった。

そういうことしてきて今がある。
「笑われてなんぼ、失敗してなんぼじゃけん。
 農家は毎年一年生。二年生はない。」
そういえばビックリしてもらうのが喜びとおっしゃってましたね。
「お客さんに”こんなおいしい枝豆ほかにないね”って言われてそれが生産意欲・励みになる。
 そのためには誰もやってないこともチャレンジしていかんとね。」

でも本当においしい枝豆を作るにはやはりそうとうな苦労がある。
たとえば用事があるとき、今日の天気なら大丈夫だ♪と外出して
戻ったら花芽がぜーんぶ落ちてたなんてこともあったという。
「ほんのちょっとの温度の上がり過ぎで、花芽はすぐ落ちるのやなあ。」
トンネル内の温度はいつも誰かが見ててあげなければならない。

他にも『植物に感情はあるか』なんて話もした。
”ある”ということで一致した。

「農家の人とはそんな話しません(笑
 たくさん作ってなんぼの世界。
 確かに、箱に詰めて出荷することが大事なんだけど、それだけじゃない。
 その先が農業の面白さではないかと思う。」

こういう生産者さんをみんなで応援したら、ぼくらの”いのち”ももっと元気になっていくと思った。

「我々は生産者ではあるけれど、消費者でもあるってことを忘れたらいかんね。」
このひと言も印象に残った。



●徳島県で出会った個性派農家さん・2

続いて橋谷さんが紹介してくれたのは佐藤さん。
橋谷さんはとってもマメに農家さんとコンタクトを取られていてすごいなと感じる。

コピー (1) ~ P1050416

えっと最初の質問…佐藤さんは…専業農家さんでしょうか?(背が高くて体育会系でケンカ強そう…)
「本気でやってるんだけど、まだ農家の匂いが出てないのかな(笑」
すいません失礼しました。

「いろんなことをズバっと言ってくれる人が好き。」
新しい品種を試したときなどは味の評価を知りたい。
近所の人に配るけど大人は”おいしい”としか言ってくれないという。

「標的は子ども。
 聞けばきっぱり言うよ。”何日前に食べたものの方が甘かった”とか。
 ヘイサンキュー!って感じで。
 そういうのをうちらは期待するんよね。」

向上心がすごいオモテに出てるひとだ。
たしかに子どもたちっておいしくなかったら食べない。

佐藤さんは毎年夏になると家族と子どもがいっぱい来る枝豆会で枝豆を出す。
そのなかで子どもたちを密かに観察し、心の中で翌年の作付けの品種選定をするのだ(笑
ポイントを教えてもらった。
「たとえば”今回のは茶豆風味でおいしいからな”と言ってしまったら
 先入観で期待できる答えを得られなくなる。」
ちなみにこの辺りでは茶豆の香りが強すぎるものなどは人気がないらしい。


佐藤さんの枝豆が優れているのは関西の高級スーパーにも卸していることからもわかる。
お店からこんな相談があったという。
”見た目がきれいでうまい”…それ以上のインパクトはありませんか?と。
「トウモロコシでもフルーツ系のものもあるでしょう。芯まで食べても大丈夫みたいな。
 そういう食べてビックリするような枝豆。なんだろ?」
枝豆以外のものと遺伝子をやり取りするのはナシで、面白いもの…。
気がつけばアイディア会議に突入。
”豆の形がハートとか見たいわな”とか…。
「まあいつもアホなアイディアばっかり出してみんなでふざけあってますわ。」
いや、なにか本当に枝豆の革新的なスタイルが生まれそうな雰囲気があるんですけど…。


ぼくは今夏、『莢音』という枝豆の品種を育てた。ていうか一緒に育った(笑
佐藤さんは莢音をもう6年栽培している。
もともと茶豆風味に興味があり、パンフで見つけたのがコンパクトサイズだけど莢は大きいという莢音。
これならトンネルに収まるしちょうどいいと。

「それで始めたんだけど何年経ってもパンフに載ってるほど大きい莢はできへんのですよね。
 1本の樹に莢の数が多ければ多いほど莢は大きくならんのかなあ?味もぼけるかな?」

すると雪印種苗の橋谷さん
「大きい莢にしようとしたら莢は少ない方がいい。枝豆にはそういう傾向がある。
 ただ味まではそんなに…やっぱり天気と収穫のタイミングに左右される方が大きいですよね。」

徳島を見渡しても佐藤さんしかやってないという独自の栽培法はたくさんあるらしい。
「基本的には、健康的な1本の樹をこしらえてやったらおいしくなるんですよ、とぼくは思うけん。」
このひと言の中に膨大な意味とデータが含まれているんだ、と思った。
面白いなあ枝豆。

「あとは勘を大事にしてる。そういうのが農業にもあるんですよ。
 ”あっ”て思たら”なんかやらな!”っていう勘が利くような感覚。
 ここ最近は天候とケンカしても連敗やけどね…。」


農業をもっと魅力的なものにしたいと力を込めて言う。
「徳島は若い新規就農者が特に少ないと思う。
 それはどうにか打開したいなあ。」


農家さんの話は本当に面白い。
栽培方法は人柄が出る。もちろん作物にも出るんだと思う。
雪印種苗の橋谷さん、農家の鎌田さん佐藤さんありがとうございます。



●徳島でイベント出演報告

コピー (1) ~ P1050444 コピー (1) ~ P1050520

徳島2日目。
コープ自然派徳島さん主催の『ほんものたべものフェスティバル』
枝豆王子として歌とトークのライブでした。
枝豆クイズが入ってる巻物を探したり。
上の方から登場して階段の踊り場をステージにして会場をフルに使ったー(笑。

この日のための1曲を作詞作曲しまして、阿波踊りも少し散りばめた演出だったんだけど…。
阿波踊りの部分は子どもたちの突っ込みを受けながら(汗、
みんな楽しく盛り上げてくれてありがとう。

最後はある子のお母さんから「のどにいいですよ」って自家製の『みかんはちみつ』をいただいて、
それがまたおいしくて徳島の思い出の1つになりました。
徳島の皆さんありがとう。



●黒豆(枝豆)探して岡山県: 美作市 作州黒(さくしゅうくろ)

瀬戸大橋から岡山入りして黒豆の門を開く。

『作州黒』は時間がなくて畑を見学させてもらっただけなんだー。
もっと見たかった。

IMG_8137.jpg コピー (1) ~ IMG_8156

莢でか!そら豆の大きさに到達しそう(いまの時期は枝豆と大豆の中間くらいの状態)
もう1枚の写真は美作市にある湯郷温泉郷の看板(枝豆型であります!)

枝豆としては10月にいただけるようです。
でかい枝豆食べたいな。

岡山県では丹波由来の黒豆が盛んに生産されている。
県の北の方に位置する勝央地域で作られたものだけが『作州黒』と呼ばれる。

来年の枝豆シーズンに出直しますか。

作州黒よ。
おいらに興味を持たれてしまったが最期。
いつかその魅力をすべて暴きだす。



●黒豆(枝豆)探して兵庫県: 丹波篠山市 丹波黒(たんばぐろ)

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枝豆の旬の時期に一度訪れたことがある丹波篠山市。
篠山盆地が育む枝豆は栗みたいにほっこりおいしかったのが忘れられない。

「秋になると372号の国道は枝豆販売テントのオンパレードですわ。」と市の黒まめ係・小畠さん。
でかんしょ街道とも言われる国道だけど10月だけは”枝豆街道”って言われる人も多いとか。

10月上旬。枝豆の旬を告げる解禁日を設定しちゃってるのはすごい。
普通は品種がどんどん改良されて旬の時期は拡大していくものだから。

「そもそも枝豆って大豆の成育過程で秋に収穫されるものですね。
 ここの丹波黒のほとんどは昔ながらの姿で残ってます。」
そういった枝豆の側面というか…側面じゃなくて本当はそこが一番豆が持ってる力、生命力を一番発揮するのが秋かもしれないですよね。

「夏にビールと枝豆さいこーなんだけど秋の枝豆が本領発揮したら
 ビールなしでも豆の味がこんなにおいしいく楽しめるってことを周知していきたい。」

でもおいしいと思っているのは人間だけじゃないみたいで…
「イノシシとかシカによる被害がひどいです。最近はアライグマとかね。
 作物のできたものを人よりも一歩先に食べてしまうもので動物たちは賢いですよね。」
おいしいものはよく知ってますね。

丹波篠山の丹波黒(枝豆)に詳しい人はもう少し奥深くまで踏み込むことになる。
篠山の黒豆は西の『川北黒』と東の『波部黒』があって波部黒をもとに県で作られた『兵系3号』というのもあって、その3つを総称して『丹波黒』という。


「私ら枝豆作ってて、知り合いや親戚のところに豆を送ったりするんですね。
 それで少ししか送れてないのに少ないのをまた小分けしてご近所に配ったりとかね、
 そういう話を聞かせてもらうことがうれしい。来年もがんばって作ろうかなと励みになってる。」
ありがとうを伝え合うっていうことですよね!ステキな話です。


●川北黒に会いたい♪

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丹波篠山市の川北地区を歩いて豆を干している農家さんに話しかけてみた。
枯れた枝豆の樹を干しているんでしょうか?

「あの枝豆を畑で放置するとやがて黒いタネができあがって、できあがりの音があるんですわ。」
おばあちゃんが樹を振って”カラカラ”という音を聞かせてくれた。

「まだできあがってないのも入ってるね。」とタネになる直前の紫色した豆も見せてくれた。

丹波黒(枝豆)は一斉に干される時期で、風が吹くとあちこちで”カラカラ”の音が楽器みたいに小さく響き渡った。



●黒豆(枝豆)を探して京都府: 京丹波町 和知黒(わちぐろ)

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丹波篠山市から京都に入り、さらに山の深いところに入ってきた。
和知という地域。
神秘的なマメがたたずむ気配がある。まずは深呼吸〜。

こんにちは。

京都で栽培される丹波黒の多くは『新丹波黒』という品種になる。
そのなかでも和知で育まれたものだけを『和知黒』と呼ぶという。
他の黒豆との違いは何だろう。

岡山-兵庫-京都と回ってきて、どの黒豆の大豆を見ても見分けがつかなかった…。
でも微妙に違うのはマメが育つ地域の標高や周りの山々の形。
同じ系統のタネも環境に応じて変わるんだと今までの旅で学んできた。
この『丹波由来の黒豆』たちもマメだけじゃなく、マメが育った風土そのものを丸ごといただくんだと思ってみよう。
様々な味わいを感じることができる(いまの時期は枝豆がないから煮豆で食べ比べてる)。

おっとー!今回の旅で初めて生の枝豆を発見!(小さな直売所にて)
11月末なのに。

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もしもし枝豆さん、莢が黄色くなってあきらかに収穫時期を逸してますよね?
枝豆さん:「私は和知黒の枝豆。地元の人たちの中には少し莢が黄色くなりはじめたわたしたちを好むひともいるマメよ」
へぇ~いろんな文化が残っているってことなのかな。

慣習に従って10分以上ゆでてからいただいたら違和感なかった。
でもやっぱり枝豆よりイモの味かな。
大きいから食べ応えはあるね。

黒豆って世界で一番大きな大豆らしい。
おもしろいのはどの黒豆産地に行っても「うちのが一番大きい」と譲らないこと。
”大きさを競う”
これは江戸時代ころから家元同士で競い合ってきた歴史もあるのかな?
より大きな豆をタネとして選抜し続けて、ここまで大きくなったのかしらん…(妄想中)。

もう1つ黒豆界で競い合っているセクションがある(笑
”豆に粉がふいている” →粉の正体は植物系の蝋質らしいが
乾燥したタネの表面に出る白っぽい粉が”本物の証”だと説明してくれるんだけど、粉を吹く原理がわからない。
一方で北海道代表の黒豆『ひかり黒大豆』はタネをピカピカに磨いて乾燥大豆として販売する。
ますますわからん。
まだまだ長い旅になりそうだ。



●黒豆(枝豆)を探して奈良県:宇陀市  宇陀(うだ)の枝豆

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『宇陀の枝豆』は奈良の山間部にひっそり隠れたごちそうだ。
神秘の枝豆は紐解かないと気が済まないっす。

黒大豆・小豆生産部会長の上西さん宅を訪ねた。
さっき奈良市のくるみの木というおしゃれな雑貨屋さんに寄ってきまして、
奈良の逸品コーナーで『宇陀の黒豆しぼり』が選ばれてました!と報告するとうれしそうにストーブのスウィッチを入れてくれた。

タネは宇陀で生産しているでしょうか?
「丹波黒っていう品種、ご存知ですよね。
 種子を管理している奈良県の機関が丹波のほうから取り寄せたものがありまして。
 それを譲ってもらって播くんですな。」
出荷する期間は1年のうちでたった2週間しかしかない。長所でも短所でもある。
10月上旬くらいに枝豆としていただけるとのこと(丹波篠山と同じだ)。

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この新聞記事では丹波黒に負けぬと。
「ここで標高にして400くらいなんですよ。丹波はまあ150~300くらいです。」
山の高さですね。
「おととしでしたかな、夏にものすごい高温が続いた。
 そのときに丹波のほうは黒豆に白い斑点がつく高温障害がひどかったんですよ。岡山県にしてもね。
 ところがここはそういう障害がなかった。
 こちらのほうが若干平均気温が低いんですわな。それが幸いした。」
確かに大自然というか魔境というか。
ここで育つ作物は自然の贈り物ですね。

ここでもやはり動物が畑を荒らして悩みのタネになっているという。
「シカとイノシシとアライグマ。
 いつまでも彼らのえさを作ってるわけにもいかない。」
防御すれば別の畑に集まることになるだけ?
難しい問題だけに解決の道は遠そうだ。

「ふる里宇陀黒豆・枝豆まつりの日は特別で毎年2000人もひとが集まりますよ。」
旬の枝豆を採れた地域で味わうってそれ以上の幸せ・・おいしさはないって本当に思います。
こんど参加したいです。魔境の黒豆(枝豆)で幸せに浸りたい。

「あと今年も奈良県下の小中学校の学校給食に枝豆3トン卸したんですよ
おおっ黒枝豆…ぜいたくな給食ですね!子どもたちにはどういうふうに出すんですか?
「莢からむいてゆで豆として出すんでしょうなあ。
 えだまめごはんになってるかもしれないですかね。」
うれしそうに話してくれました。

その後も”ホンモノとは何か”、”上西さん家のキビとアワ”など…そういえばアワといえば今回はアワ由来の阿波の国(徳島)から旅がスタートしたんだっけ!
運命には逆らえないなあ。
すっかり日が暮れてあやうく直売所が閉まってしまうところだったが、
伝説の”米の値段と逆転した”という宇陀市のキビをゲットすることができた。
・・・アワが売り切れていたのも運命のいたずらか。



●在来種を探して三重県: 松阪市 美里在来(みさとざいらい)

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豆腐屋・野瀬商店の野瀬さんと生産組合代表の在間さんに話を伺った。

三重県でも在来大豆が保存されているんですね。
「13種類くらいあって、そのなかで美里在来に私らがスポットを当てました。」
他の種類のタネは県の農業機関で眠っており、スポットが当たればいつでも外に出て行く準備ができているのだ。
だいたいどの県の機関でも昔の在来大豆が今でも種子保存されていることがわかってきた。

毎年10月中旬に美里在来の枝豆収穫体験イベントが行われているようですけど…。
「枝豆としてはイベントに使う程度でいまは出荷もしてないです。
 主に豆腐・豆乳ですね。」

枝豆は甘くて粒が大きく評価が高いので今後は生産を拡大していくという。

「しかし育てにくい…。」と農家さん。
どれも枝が横に流れてぎりぎり倒れないで上に伸びようとしている姿をしてる。
「列も乱れてるでしょう。それが特長。」

嵐が過ぎ去ったあとの畑にみえる。
改良してない原始的な大豆の証。
津市のほうに美里村という地名があってそこが発祥の地かもしれない。

「まだまだこの地域の大豆の歴史は5、6年。
 これから産地と呼ばれるようになりたいな。」
まだ助走の段階とのことです。

じつは美里在来は会社経営なのだ。
農家さんたちが株主。
この地域の農家さんはいまは誰も個人ではやってない。
松坂市嬉野の『ごん豆(ず)』という直売所で販売している。


一度聞いてみたかったんですけど、”枝豆豆腐”ってあるじゃないですか…。

「枝豆状態ではまだタンパク質が足りないもんで豆腐にはならない。
 よくある枝豆豆腐というのは普通の豆腐に枝豆ペーストを混ぜてる。ただそれだけです(笑。」

豆腐を作るのは難しいことじゃないという。
「原材料の豆を選定していくことのほうが重要。
 タンパク質・炭水化物・油脂分・糖分の成分だとかを理解しながら。」
そしてその土地にあったものをいかに選定できるかの方が大事。
生産加工業者と生産者が全く意思疎通がされてないとうまくいかない。
「よそから来た大豆ではそんなに調子良くいきません。
 豆腐がおいしかったら大豆の生産者のおかげ。
 にがりを売りにしてるような豆腐は豆がない証拠。」
ズバっと言いますな。

あとは環境の変化や平均気温が上がっていけばまた対応していかなければならないこと。
次世代にどう残していくかってことも話してくれた。

在来種に特化している豆腐屋もあるけど少ないですね。
「三重県では多分うちだけ。
 出口がないと農家さんもなかなか作れない。
 出口さえ作れば…。」



●在来種を探して長野県・1 伊那市  鞍掛豆(くらかけまめ)

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長野県入り。
伊那市の産直市場のグリーンファームへ。
2000人以上の農家さんがここに出荷してる。

広い店内で大豆を見つけるのは大変だった。
グリーンファーム会長の小林さんに話を聞いた。

在来大豆の『鞍掛豆』について教えてほしいのですが。

「鞍掛豆という名前はこの辺では通用しないですね。
 みんな”浸し豆”と呼んでる。地方名だね。」
浸すんですね?
「ゆでて醤油をかけて食べる。おひたし。
 収穫量がとても少ない。」
収穫しようとすると莢から豆が飛んじゃうという。
農家さんにとって非常に扱いづらい。採算はあわない。

なぜ作るかというと、うまいから。
食べたことあるけど海苔風味があって本当においしい。
樹は枯れたら乾燥させて棒でたたいて実を取る。
枝豆として食べても非常にうまいそうだ。
絶対食べたい!(売ってるの見たことがない)

鞍掛豆の起源まではちょっとわからないという。
その代わりに枝豆の昔話(実体験)を聞かせてくれた。

この地方では食べる枝豆をどこで作ったか →畑ではなく田んぼの畦(あぜ)で作った。
田んぼの水持ちを良くするために、土手の周りの土を粘土状に練ったものを壁にしてきれいにする。
そこに50cm間隔くらいで穴をあけていき、大豆(タネ)を入れる。
そこに馬糞なんかを押し込んでおく(笑
成長した枝豆を秋まで放っておくと稲刈りの邪魔になったりするらしい。
「自家用の枝豆にして食べちゃおうと、稲刈りの前に金持ちの衆はそういうのを食べた。
 我々貧乏人は枝豆なんてぜいたくな食べ方はできない(大豆は貴重な保存食)。」
それが豆と人間との関係。身近な付き合いなのだ。


信州といえば『そば』!そばの歴史も教えてくれた。
”神様が宿る山の麓にはそば処がある”という話。
奈良時代に山岳信仰の広まりとともにそばの栽培が広まっていったんだね。
穀物を粉にして火を通さずに加工し、消化できる食べものが山沿いを旅をする修行僧にとって貴重だったのだ。
「という学説を私が発表したんです。」
ええー!学説ですか?でも本当っぽい。
「どこからも異論は出てません。」
小林さん、あなたはいったい…?
そば職人でもあり、そば屋を経営していることまでしか教えてくれないが、すごい方に違いない。

大豆の歴史のなかにも隠れた伝播の秘話があるだろうか。
もっと調べてみたい。

「ここは農村文化の発祥の地だから、ここに来たらたいていのことはわかっちゃいますよ。」
長野県の豆を知る入口として伊那市に来たのは大正解!



●在来種を探して長野県・2  小川村 西山大豆

松本市内の小さなタネ屋さんでついに有力情報!

長野市信州新町、中条、小川村の地域で採れる大豆を『西山大豆』と呼ぶ。
この西山大豆の中に『鞍掛豆』も含まれているらしいと。

小川村の役場へ行くと100%西山大豆で作る豆腐屋さんがあると教えてもらった。
豆福亭へ。

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緑色の豆腐きれい。
品種は『あやみどり』と『ナカセンナリ』。
大豆の色がそのまま出る。
あやみどりは豆のへそも緑色だからまるで緑色の豆腐を作るために生まれてきたような品種だ。

やっぱり大豆にこだわった豆腐はいい!
西山豆腐ごちそうさま♪(すっかり鞍掛豆のこと忘れてる)。

「この大豆が採れた場所?裏の山を上った集落だよ。」
豆福亭の伊藤さん。
集落を訪ねてこそ地大豆を味わい尽くせるというもの!
「まだ収穫してない大豆があるかもしれないね。」
急げーー(雨だったのに太陽も出てきた)。

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小川村いいところだ。
空気がおいしい。
…めちゃめちゃデカい野菜を発見。
こんにちは何をしてるのですか?
「野沢菜を採ってるの。雨が降ったあとだから重いよ。」
これ野沢菜??漬けたものしか見たことない。
でかい野沢菜に隠れて見えなかったが隣は西山大豆の畑だった(鞍掛ではない)。
写真撮らせてください!
(↓手前が大豆畑)

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小川村名物の”おやき”もおいしくて幸せ。
メニューは2種類。
野沢菜と大豆で作った卯の花だった。
(メニューは季節毎に変わる)。

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旬をいただく。小川村をいただく。
竪穴式住居でいただく…はっ!鞍掛豆を販売してる!!
「この辺ではみんな作ってるよ。自分とこで食べる用に。」
とおやきを焼くおじいちゃん。
いつごろこの地にやってきた豆なのか遥か昔のことでわからないという。
でもこの辺りの在来種である鞍掛豆のタネをある研究機関が選抜し、バラバラな生育を何年もかけて調整し、県内のタネ屋さんに供給しているそうだ。

まさか”おやき”が鞍掛豆を知るための重要なアイテムだったとは。
すべてに意味がある。つながってる。


楽しかった!鞍掛豆の魅力に迫ることができた

P1050935.jpg IMG_8761.jpg



全国の枝豆のこともふくめて本当にたくさんのことを教えてくれた。

シンプルな方法で『信濃鞍掛(しなのくらかけ)』という品種は誕生した。
西山大豆の鞍掛豆から優秀なものを選び、タネをとって何年もかけて増やしていく。
その過程で、もしかしたら生育がまとまっていないものがあるとそういうものを排除していく。
揃っているもの、それを残していく。
そういう操作をして何年か繰り返していくことによって変動がなくなれば”固定した”という形でそれを品種にしていく。
新しい遺伝子を入れてきたとかじゃなくて、あったものの中から特長のいいものを残してきた(純系分離というやり方)。


【鞍掛豆の起源についての仮説】

あくまでも可能性の話。
小川村の近くの”戸隠(とがくれ)”という地域は歴史的な話で、京都から地方おくりになって逃げてきた人たちとかが多いところ。
もしかすると京から都落ちしたひとたちがあちらの方の豆とかを持ち込んで細々と作ってたかもしれないという。
なぜなら、鞍掛豆は成熟期が非常に遅く、本来ここで作るには難しい大豆だから。
長野では10月下旬くらいには成熟しないと雪も多いし霜が降ると大豆の生育も止まってしまう。
在来種だからといって昔からそこにあったものとは限らないという。


【大豆(タネ)の表面に模様が出るのは鞍掛豆だけですね】

このデザインはどうやって作り出されたんだろう…。
無茶な質問だと思ったけどぼくのレベルに合わせて説明してくれた!

鞍掛豆は緑色の大豆なのだが、もともと遺伝子として黒い色素を持っている。
じつは”その黒い色素を抑える遺伝子”というのも持っている。
その抑える遺伝子が大昔に何かのきっかけで壊れてしまった。
黒い色素は恒常的に抑えられなくなってしまって、一部にばーっと出てきてるのではないかと。
黒い色素の成分は黒豆と同じアントシアニンだと思われる。

それが鞍掛豆のオンリーワンの個性。

それとはまったく別の話で、大豆が病気にかかったときにも表面に模様が出ることもあるという。
褐斑粒・かっぱんりゅうと呼ばれる。
たとえば黄色い大豆がウィルスに感染することによって茶色を抑えていた遺伝子が働かなくなっちゃって模様が出る。
鞍掛豆の模様は個性なのでそれとは違うけど、色素が出るメカニズムは同じと考えられている。


それぞれの大豆・タネの色というのはこうやって遺伝子のバランスや破壊で決められていくのか。
なんとなくだけどわかってきたぞ。
それならすべての大豆のご先祖様は1つの豆に行き着くと考えることが可能かもしれない。


【そして『ツルマメ』の登場】

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野生のツルマメ

有力な1つの説として枝豆・大豆のご先祖様と考えられている『ツルマメ』。
人間でいえばお猿さんみたいな存在。
莢は2cmくらいしかない。
栽培する人はいなくて、いたるところで自生している。
すべての枝豆・大豆と交配することが可能な貴重な遺伝資源で、あわよくば使いたいという。
そのなかにある特長的な成分や、病気に対する抵抗性などを活かしたいと。

さらにツルマメにはおもしろい特長がある。ほー!
発芽せずに土の中でそのまま翌年まで越冬することもあるという。
というか、何かをきっかけに(凍結やらで)種子が傷ついたりふくらんで割れたりしないと発芽できない。
そうしないとタネが水を吸えない。

ただしタネのへその部分が傷ついてしまうとタネは死んでしまう。
豆粒が莢の中にいるとき、莢とつながってる部分がへそですね。遺伝子が集中してる部分。
種皮に模様や病気が出るときもこのへそから中心に模様が出る。

枝豆・大豆のタネは基本的に越冬しないし長持ちしない。
でもたま〜にツルマメほどじゃないけど長持ちする大豆もあるという。
この長持ち大豆の遺伝子には秘密があるかもしれない。
かつて長持ち大豆の祖先が、たまたま近くにいた野生のツルマメと結婚して生まれた子に由来してる可能性があるのだ。
そういう研究のデータもある。

ツルマメが採れる場所も教えてくれた。
ちょっと行ってみまーす!

最初は枝豆の魅力を知りたいと思ってただけなのに。
横にも縦にも長い旅になりそうです。



●在来種を探して山梨県: 北杜市 北杜市の青大豆

P1060051.jpg IMG_8874.jpg

山奥の奥にずんずん行った集落(標高1100m)。冷える。
ここに昔からある在来種の青大豆があるという。
名前がついてない…。だから北杜市の青大豆。

なぜここに行きたかったかというと。
日本最古(約5000年前)の大豆の遺跡が見つかった場所の近くだから。
その名も北杜市にある『酒呑場遺跡(さけのみばいせき)』。
出土した土器から大豆の痕が見つかり、当時稲作と大豆がセットで栽培されていたこともわかったという。

その遺跡の大豆が『北杜市の青大豆』だったら…なんて思わない。
いままで勉強してきてわかったのは大豆は長い歴史の中で各地を移動しまくっているということ。
でもでも…ロマンがある。

いま栽培されている青大豆はNPOえがおファームがタネを受け継いで栽培している。
青大豆のことは5000年前にサカノボルどころか10年前の情報さえわからなかった。
タネを見るかぎり濃い緑で黒いへそ…山形県や長野県の集落でも見かけた在来種のタイプだと思った。

「カッコウが鳴く頃にタネを播けとこの地域では言われてて。」と小俣さん。
もしかしたらお年寄りの方々に聞き込みすれば青大豆を50年くらいさかのぼれるかもしれない。
ちなみにカッコウが鳴く=タネをまくのは5月下旬~6月上旬。10月の上旬に大豆として収穫する。
夏は枝豆として食べても甘くて好評だという。

「枝豆王子さんは全国の枝豆を調べてて熱い人だなあって思います。」
いえいえ農業に惹かれて移り住もうって考えて実行しちゃうほうがスゴイです!
小俣さんは東京からここへやってきて就農した若者たちの一人。
地元のひとたちとも気軽に言葉を交わしてすっかりとけ込んでる。

「農業やればやるほど職人欲求みたいなものが満たされるんです。」
しかも弱かった身体が3年ここに暮らしてよくなったという。
東京にいるときはマスクしないと外に出れないくらい身体が弱かったが、ここに来てから3年。
まったく病気もしないし、しそうもないという。
環境だけじゃなくて充足感も身体に影響してるかもしれない。

「枝豆王子さん、花豆にも興味あります?大豆畑は終わっちゃってるんで。」
もちろん!なにも知らないので教えて〜。

紫花豆(インゲン科・アメリカ原産)

IMG_8839.jpg IMG_8842.jpg

初めて莢を見たけど形は枝豆と似てる。サイズがそら豆以上ありそう。

花豆の甘露煮をいただく。
食べ応えのある巨大な小豆という感覚。
甘みもちょうど良さも絶妙で、最高のおやつでした。





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